2008年6月10日火曜日

学習机のこと

 わが愚息、宿題の真っ最中。一応、小学校入学のときに購入したいわゆる「学習デスク」というものがあるのだけれど、タタミの部屋のすわり机だと集中できるとかなんとかほざいて3年生のころから、ここで勉強することが多くなった。もともとは、僕の母親が使っていた電気ゴタツ。


 ふだんは、リビングのテーブルで勉強している彼だが、僕が帰宅し、食卓について彼の正面でビールなどを飲みはじめ「何だ、お前の字は汚いな」とか「そんな計算も間違えるのか」などと難癖をつけ始めると、愚息は「タタミの部屋」のこの机のほうへ避難する。
 妻から言わせれば、子どもが宿題をしている前で酒飲みながら悪態をついている親父なんて、珍獣中の珍獣だそうで、ちょび髭をはやして千鳥足で寿司折りのお土産をぶら下げて帰ってくるおじさんよりメズラシイとのたまう。
 まあ、そりゃそうだ。正論。

 すわり机にむかってものを書いている姿は、なんとなく昔の作家みたいでかっこいい。「お前、文豪みたいだな。小説家だったら、壁に向かうんじゃなく、こっちに向いて執筆するともっとかっこいいぞ」などと酔っ払いはまた絡む。そんな言葉は無視して、愚息はもくもくと漢字の書き取りを続けている。

 僕が小学生のころは、自分専用のそれを買ってもらったのがとってもうれしくて1日中机に向かっていても飽きなかった。デスクの上は自分だけの小さな宇宙、引き出しの中には僕以外の者には、価値を見出せないいろいろな宝物が保管されていた。勉強するふりをして、それらを時々取り出し眺めては、いろいろな惑星へトリップしていた。
 結局、小学1年生のころ買ってもらった僕の学習机は、大学を卒業し、就職するまでその役割を果たし続けた。

 それに引き換え、学習机に執着を見せない愚息。「使わないなら俺がもらうぞ」というと、きっぱりと「それはだめ」という返事。
 

2008年6月1日日曜日

びわの収穫

ベランダに植えたビワに実がつきました

 息子が、幼稚園の年中のころ吐き出したビワの種から芽が出て約6年、この春きれいな花を咲かせたと思ったらなんと一個だけ実がなりました。息子は、オレンジ、グレープフルーツ、スイカなどさまざまな、果物の種を吐き出しては、小さな庭に植える習性がある。
 グレープフルーツなどはすぐに芽が出て、育ち始めるけれど実を結んだのはこのビワがはじめて。

 カラスに狙われないようにと、袋で包んだりしながら育てたたった一つのビワの実。いよいよ今日が食べごろです。

ちょっと複雑な思いで、慎重に切り落とす。                 収穫終了

 
 さっそく食してみると、とてもジューシーで想像以上に甘みがありました。

 最初は、食べてしまうのを惜しがっていた息子。何せ六年間も世話を続けたものですから。しかし食べだしたらあまりの美味さに皮までも食べてしまう勢い。果汁一滴も逃すまい、という思いが伝わってきます。

 ビワの中からは五つの種子が。
 食べ終わったビワは、息子がベランダの鉢に植えました。この種が育ちまた、結実するころの息子はどんな10代後半の若者になっているのだろうか。
 少なくとも「やった、やったー! パパは食べちゃだめだよ、でも少しだけあげるね」という感じではないのは確か。かといって、「そんなことあったけ、覚えてねえよ」なんていうのも悲しい。

 ていうか、僕自身がぼけて忘れていたりして。