運よく窓側の席が取れた。シートベル着用のサインが消えた頃から、ボーっと窓の外を眺めていた。あきない。雲の上の風景っていつでも人の心を平穏にやさしくする。地上が厚い雲に覆われているときや、雨降りでないと雲の上の風景は見られない。快晴ではいけない。皮肉といえば皮肉。だからよけい得した気分になるのか。
母は、12年前に亡くなった。母と父がこの天上にいるのだ、と思えるようになったとき、機内から見る雲の上のこの光景もまた違ったものに思えてくるのだろうか。
タイトルはアン・タイラーの小説から。 原題は、Ladder of Years
モッツァレラとブロッコリーの生パスタトマトソース 3種チーズのピッツァ
夜は、六本木「スイートベイジル」で加藤登紀子さんのライブ。バックにジャズピアニストの島健という豪華な組み合わせ。二組のご夫婦と会場で待ち合わせ。 僕だけは一人。
普段の登紀子さんのコンサートとちょっと味付けが違う、シャンソンを中心にそのときに登紀子さんが「歌いたいものをきっぱり歌う」ライブ。今夜は、彼女が愛するエディット=ピアフの物語が中心に添えられていた。
エディット=ピアフの作品「愛の讃歌」「バラ色の人生」、そして、登紀子さんがピアフに捧げたオリジナル「名前も知らないあの人へ」「ペール・ラシェーズ」。
「名前も知らないあの人へ」はピアフが18歳のときに亡くした娘のことを思う夜のことを歌った。「ペール・ラシェーズ」はピアフと2歳で死んでしまった娘のマルセルが眠っているパリ郊外の墓地、パリ・コミューンに蜂起した市民兵士たちが多く殺された場所でもある。
素晴らしい4曲だった。人生を感じた。生きる力を感じた。命を感じた。鳥肌がたちどおし、圧倒された2時間だった。
よし、ピザとか食ってるだけでなく、今度は妻と一緒にコンサートへ行こう、と一瞬思う。
未だ見ぬ「自分の子どもに読んでもらおうと、書いたのだが、なぜか女の子向け。僕には、女の子がいないし、息子も中学2年になろうとしており、ラグビー部で鍛えられつつあり首は太く胸板も厚くなり始め、ちょっと恐怖を感じるときもある。読んでもらう機会を逸してしまった。恥ずかしながら、とここで少しずつ発表(不連続連載)。
ひねくれゆうちゃんの赤いかさ 1
ひねくれゆうちゃんは、、本当はゆうこという名前なのですが、なぜそうよばれているかというと、まだ5さいのくせにピーマンとニンジンが大好きだからです。
ね、とってもひねくれでしょ。
ゆうちゃんは雨ふりも大好きです。 雨ふりがつづくとようちえんのお友だちはみんな、
「雨ふりはいやねぇ」
とまるでお母さんのような顔をして言います。
「そんなことないよ。雨ふりって楽しいよ。雨つぶがほっぺたにぽつんとあたると気持ちいいよ。」
お友だちはまたまたいいかえします。
けれどゆうちゃんも、またまたまたいいかえします。
もし、園長先生も雨ふりが好きだったら、うんどう会や遠足はちゅうしにならないはずです。中止になるのは雨のせいではなく、それをきらいな園長先生のせいなのです。
ひねくれゆうちゃんはいつもそう思うのです。 (つづく)