事務所の窓にカゲロウがとまっていた。
さかさまになって、じいっと僕たちの様子を見ているみたい...。
キャー、かわいいなんて言いながら女性スタッフがかわるがわる観察している。蜂や蛾が紛れ込んできたときとは大違い。
これ、何かの幼虫?とMさん。
これは立派な成虫。幼虫はあり地獄。穴掘ってアリを食べちゃう残酷なヤツ。
「わたしの職場もアリ地獄」などとくだらないことを言う。クスリと笑ってくれたのは、多くの女性スタッフに囲まれた一部の男性社員。
でも、成虫になると2~3数時間のはかない命なのでカゲロウと呼ばれるのだよ、などと続けて知ったかぶり。 その後、その人生の大部分をかけて何時間もそのカゲロウは僕たちの仕事ぶりをぴくりとも動かず見守っていた。
家に帰って昆虫好きの息子に写真を見せる。ううう、恥ずかしい。
「これは、クサカゲロウ。幼虫がアリ地獄で寿命が短いのはウスバカゲロウ。クサカゲロウはアリ地獄なんかにならないし、何日も生きるよ」だって。
雑学王を気取るヒナ壇タレントみたいにえらそうに話してしまった。くだらない冗談までつけて。
僕のつたない知識がカゲロウのようでした。ごめんなさい。
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