2008年5月4日日曜日

私は、貝になりたくない

 横浜・海の公園で潮干狩り。
 ゴールデンウィークの恒例行事。今日は大潮、干潮が午前10時なので、8時から狩猟開始。

 僕がまだ幼い頃、横浜にはここ金沢八景と金沢文庫の二つの海水浴場があった。父親の運転する車から、途中磯子あたりで『ひばり御殿』(旧・美空ひばり邸)のどこまでも続く白い壁を横目で見つつ海水浴に出かけた記憶が残っている。
 どちらの海水浴場も極端に海岸が汚れていて裸足で歩くのがとてもいやだった気がする。

 今では、二つの海岸も埋め立てられ、市営の人工海岸となっている。入浜料などもとられることなく、芝生の上でお弁当を食べることもできるのでとても便利。

 肉離れのふくらはぎを少々気にしながら中腰になり熊手を使い始めたけれど、ラッキーなことにこの姿勢は患部に影響が少ない。僕の肉離れは、翌日専門医に見てもらい、早くて10日、長くて1ヶ月くらいで完治するといわれた。また、近所の鍼灸院で買った肉離れ用のサポーターをつけてから歩くのがとても楽になった。

 今年は、豊漁、ざくざくとアサリが獲れる。引きはじめた潮とともに少しずつ沖のほうへ移動する。息子と僕と2人合わせて、用意した網の3分の一くらいになったので、干潮前の9時30分ごろには狩猟終了。小さめの貝をより分け、また砂浜に埋めてあげる。これもキャッチ&リリースと呼ぶのだろうか。

 あさり採りのあと、なぜか猛烈な勢いで砂浜に穴を掘り始める愚息。それを見つめる祖父
 2~3年前から、捕獲量は一家族2キロまでと決められ、ボランティアと思しきスタッフが計量してくれたのだけれど、今年はその人たちが見当たらない。ちょっと多めかもしれないな、と思うがクーラーボックスに入れて全員家に連れ帰る。

 早速塩抜きをする。鍋にあけてみると意外にアサリの量が多く、ご近所におすそわけ。
 まずは真水でじゃりじゃりと洗って砂を落とし、海水と同程度の塩水にひたひたにつけるのだが、最初のうちはみんなかたくなに殻を閉じている。強い意志というものが感じられる。私も貝になりたい。

 まずは、アサリとばか貝(青柳)とより分ける。ばか貝は、砂を吐かないので剥き身にしてすぐ食す

 まあ、楽にしなさいよ、と言ってみても誰一人として心、いや殻を開こうとしない。
 それならご自由に、としばらく暗い場所に放置しておくと彼らは不気味に、ゴソゴソとなにやら相談し始める。
 何してるの? と息子と一緒に明かりをつけて観察しようとすると、またすぐに殻に閉じこもってしまう。それでも、じいっと見つめていると反抗心の強いやつが、こちらに塩をピュッと吹きかけ攻撃してくる。息子、思わずのけぞる。貝がにやりと笑ったような気がする。


   最初は緊張感たっぷりだった皆さんであったが...        ストックホルム症候群か
 
 お前らなかなかやるじゃないかと退散、そしてまた,1~2時間経ってから覗いてみると・・・。
 一転、なんだかぜんぜん緊張感がなくなっちゃっている。ベロンと舌出しちゃって、もうどうにでもしてください、という態度。尊敬していたのに。ちょっと寂しい。
 今夜は、スパゲティ・ボンゴレ、明日の朝は味噌汁、そして夜はパエージャだ。美味しく食べてあげるから、君らはそうやってだらしなく待ってなさい、と叱りつける。それでも、彼らはでろーんとしたままだ。
 私は、やっぱり貝になりたくない。
  
 かなり足の状態がよくなっているようなので、水泳再開、1500メートル・28分51秒。

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