2008年3月29日土曜日

宿沢広朗も気をゆるした店

 久しぶりの神宮外苑「串はし」。 僕的「2007・居酒屋・オブ・ジ・イヤー」の店。2か月ぶり。マスターの「やあ、久しぶりじゃない、ちょうど噂をしていたところなんだよ!」という言葉が嬉しい。
 秩父宮ラグビー場の真向かいにある店だけに、ラグビー関係者が立ち寄ることも多い。僕がこの店を知ったのは、ノンフィクション作家・加藤仁さんが昨年出版した力作、そしてベストセラーとなった「宿澤広朗 運を支配した男」の中で、ある意味重要な場面として紹介されていたことから。
 加藤さんとは3年間、日本各地を取材同行し、居酒屋で飲み、語りあった。「”普通の人”の人生」から、その人の持つ輝きを掘り起こし、それを普遍的に表現し読者に共感を与える、その取材手法を側で学ばせていただいた。
 「宿澤・・・・・」は、巨大銀行の頂点に登りつめる直前で急逝した天才ラガー宿澤広明の、これまであまり語られることのなかった金融マンとしての才覚と功績にフォーカスをあてつつ、同時に日本ラグビー界の改革への野心と失望を描いた出色のヒューマンドキュメント。

                    

 本書には、2001年冬、故・宿沢広明氏が元慶応大学ラグビー部監督・上田昭夫氏、明治大学OB森重孝氏と共に、この「串はし」で日本のラグビー界の本来のあるべき将来像をいつになく熱く語ったと記されている。早・慶・明の重鎮OBが3人集まって飲むことはめったにないということで、この店にはその3人が一緒に書いた貴重な色紙が残っている。

宿沢・上田・森の色紙、誰が書いたか左上の「ラグビー!!」の文字が泣かせる
はじめは、この色紙が見たくてこの店を訪れた

 これってすごいことですよね、とこの店の主人・橋本さんに投げかけても「なんか、そうみたいだねえ」という返事。この反応が、僕にはなんとも気持ちいい。
 橋本さんは、ラグビーよりも競馬の大ファン。馬の話になると目の色が変わる。昨年、縁起物だということで、馬蹄をおみやげにいただき息子の成績アップのお守りにしている。いつか必ず効果を発揮することと信じています。

息子の部屋に掲げているお守りの馬蹄。

 この橋本さんの料理のセンスがすばらしい。特に、まかない的裏メニュー、最高です。 そして、娘さんをはじめ、店を仕切っている女性軍がまたまた魅力的。我ら飲みすけに対するあしらいは、最高レベル。とても気持ちよく酔わせていただける外苑前最強の店。

いつも「魔王」をリーズナブルに提供していただき感謝

 「串はし」は10時ごろ閉店なので、その後近所のこれもホスピタリティあふれるバー・シトラスへ。店主古川さんの今日のお勧め、イチゴとシャンパンのカクテル。焼酎を飲み続け、やや荒くれた僕の舌をやさしく包んでくれ、幸せな気分になる。

イチゴのカクテル。恥ずかしながらいただきました。

 ほんわかほころんだ気持ちのまま、終電近くの電車に乗る、ぼんやり一駅乗り越し。ほんわりした気持ちのまま一駅戻り、ふんわりと帰宅。25時。妻はすんなり「私はもう寝るからね」と言い、僕をきっぱりと放置

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